この記事を読みまして、もう1から10まで同意なんです。
モーションデザインとは画面上に跳ねたりさせて動かすことを言うのでしょうか?違います。
モーションはストーリーを語ります。アプリにおける全ての物事は連鎖になっていて、モーションはあなたのガイドになります。
UIアニメーションとはデザインや機能と切り離せるものではなく、そのアプリやサービスのユーザー体験を補助、補強するものでなくてはならないのです。
上記記事では演出に特化したUIには触れられていませんが、例えばゲームのUIに使いやすさとは一見関係ないこんな演出が入っていても、それが世界観にマッチしていてユーザーの没入度に寄与するのであれば、それは良いUIであると言えます。
よってその世界観や組み合わさる数々の要素を取り除いた、UIアニメーション単品を紹介しているこのBlogは、本来意味のないものということになってしまうのですが、それではあまりに私が報われない。その前提があった上で、引き出しを増やす目的でやっている、参考にしてくれている、ということにしておいてください。
本題です。
この記事のようにUIアニメーション、モーションデザインの重要性が叫ばれるようになったのは大変喜ばしいのですが、はたして現場ではどうでしょう。海外企業の自社プロダクトとかになると話は違ってくるのでしょうが、私が目にする受託案件の見積書に、“モーション設計工数”、“UIアニメーション制作費” と書かれているのを見たことがありません。そして進行中の開発チケットには、“動画再生時のポップアップにアニメーションを追加(できれば対応 優先度:低)” などと書かれています。
原因は何でしょうか?
- クライアントにその重要性が浸透していない
- 真っ先に工数が削られるところを見るにベンダー側でも軽視されている
- 金額に乗せてしまうと仕事が取れない
- そこまでトータルに設計できる人間がいない
内外に考えられる要因あるわけですが、結局まだその費用対効果にベンダーすら懐疑的だし、だからクライアントに自信を持って説明できない、採用や教育にも本腰が入れられないのではないでしょうか?
そこで、近年ABテスト等でUIデザイン改善と売上の相関が可視化されるようになったように、そのUIアニメーション版みたいなデータが出てくるといいなと思います。もちろん他力本願ばかりでは情けないので、そのような定量的なデータが取れるよう自ら働きかけをしていかなければなりません。
と言いつつ、iPhone by ジョブズ以降急激にデザインに対する風向きが変わったように、あるカリスマや製品登場で、クライアントも上司も『これからはモーションデザインだよ、君!』とか突然言い出すのかもしれませんが。